寝取られ写真教室 -夫は妻の撮影係- (前編)

 

 妻の彩花(あやか)は、絵を見るのが大好きです。

 今でも週末には、月に一度はどこかの美術館に出かけて絵の鑑賞をするのが妻の趣味で、他県で行われる展示に、半日かけて出かけていくこともしばしばです。

 なんでも高校の頃にも、美術部に所属して、絵を描いていたらしいのですが、本人曰く描く方の才能はないらしく、自分で絵を描くことはとっくの昔にあきらめたと言っています。けれども、本人が恥ずかしがっているのを無理を言って、高校の頃に描いたという絵を一枚だけ見せてもらったことがありますが、なかなか見事なものでした。当時のクラスメイトをモデルにして描いたというその人物画は、見事なデッサンで、モデルの女の子の表情や、身につけている制服の感じまで、よく描かれていました。私はその絵を見せてもらった時、もし自分にもこんなふうに、愛する妻の絵を描くことができたら素敵だろうな、と思いました。

 

 しかし、自分に絵の才能がないのは痛いほどよくわかっています。理系で、大学も工学系の大学に進んだ私は、芸術全般に縁がなく、小学校や中学校の頃の美術の授業も大嫌いだったことを覚えています。一度、絵を描こうと思って妻の顔のデッサンを試みたことがあるのですが、私の描く線はぐねぐねとつかみどころなく這い回るだけで、なんとか描いたそれはデッサンと呼ぶことすら出来ないようなものでした。私の描いたものを見た彩花は面白くて仕方がないというように笑いをこらえながら、ここはこうした方がいい、と私に教えつつも、「たっくんは絵は向いていないのね」と笑い過ぎで涙を流していました。

 もし、私に絵を描くことが出来たら。描きたいものは、愛する妻である彩花しかありません。花を飾った部屋で、その花瓶を背景に、彩花に椅子に座ってもらって、その凛とした表情や、きれいにまとめられた黒い髪を描くのでしょう。そして、やがては愛する妻に裸でベッドに横たわってもらい、その美しくなまめかしい裸体をキャンバスに描き出すことでしょう。そして、その描きかけの絵をイーゼルに置いたまま、日の暮れた部屋の中で私は彩花と抱き合い、ひとつになって愛し合うのです。

 

 けれども現実は理想とは違います。

 それは私に絵の才能がないのと同様で、私と彩花のセックスも、思い描いた理想とは程遠いものでした。

 私は早漏で、彩花とのセックスもいつも挿入すると2、3分もしないうちに終わってしまいます。

 もちろんセックスは挿入がすべてではないので、彩花の身体を愛撫し、キスをし、彩花のCカップの形の良い胸をまさぐり、私は夢中になって喜びを感じます。

 けれども挿入した後は、特に盛り上がることもなく、気が付けばあっという間に私は彩花の中に果ててしまい、ひとつになった状態で彩花が女らしい悦びの声をあげるところを、私はほとんど見たことがないのです。

 それは、私のほんの12、3センチしかないもののせいかもしれません。

 

 私と彩花は、私が大学の3年、彩花が2年生の時に出会いました。それはよくある合コンを通じた出会いでした。工科系の大学に通っていた奥手な私と、お嬢様系の女子大に通っていた彩花は付き合い始め、そして付き合って3ヶ月の頃にはじめてのセックスをしたのです。

 デートの後、ぎこちない様子であらかじめ予約してあってホテルに誘うと、私はついに彩花の服を脱がせ、そして私たちはお互いに人生で初めてのセックスをしたのです。私が二十二歳、彩花が二十歳の時でした。彩花は「痛い」と大きな声をあげ、私は挿入すると三十秒足らずで達してしまいましたが、それでも行為が終わると、私たちは抱き合って喜び、愛のステップをお互いに登ったことを喜び合ったのです。初めての女性とのセックスで射精を遂げたコンドームを縛り、そこに溜まった白い液体を眺めると、それが自分の出したものとは思えず、彩花もそれを見て物珍しそうに触りはじめました。「ぷにぷにしてなんだか気持ちいい。それにあったかいね」と笑っていた裸の彩花の姿を、今でも私は覚えています。

 

 私たちのセックスが拙いのは、やはり経験が少ないからでしょうか。お互いに他の相手との経験がなく、昔からそういった男女の関係にも消極的に生きてきた私たちにとって、セックスとはお互いの気持ちを確かめることが出来ればそれで十分で、それ以上のことを私も彩花も求めなかったのです。

 結婚してから2年がたった今でも、私と彩花のセックスは、あの初めての日からそれほど進歩していません。三十秒足らずで終わってしまったあの時にくらべれば、少しはましになりましたが、彩花の中に入った私は、あまりの気持ち良さと興奮に、ほとんどの時には2分もしないうちに達して終わってしまうのです。それはまるで、彩花に挿入した後は時間の流れが遅くなるのかと思うくらいに、今日は長く続いたと思っても、時計を見るとやはり3分程度しか経過していないのでした。

 

 一年の浪人時代があるため彩花よりふたつ歳が上の私は、大学を出ると某上場企業に就職し、名門女子大を出た後、とある博物館で学芸員として働いていた彩花にある日ついにプロポーズし、私たちは互いが二十六歳と二十三歳で結婚しました。彩花は8月が誕生日なので、二十三歳と十ヶ月で私と結婚したことになります。

 そして今年の6月、私たちは結婚2周年を迎えました。子供は急いで作らなくてもいいというお互いの考えだったため、セックスはまだ避妊をしながら行っていますが、2年がたっても私達はお互いに新婚の時のまま、恋人時代が継続したような仲の良い関係を保っています。

 

 私が写真教室に通い始めたのは、そんな結婚2周年を間近に控えた6月の頃でした。

 なぜ、写真に興味を持ったのか、それは自分でも説明がつきません。

 私の心の中には、結婚前に見た、彩花が高校時代に描いた絵のことがあったのは確かです。そして私の中には、絵画が好きで美術館通いを描かさない彩花のために、彩花の絵をいつの日にか描きたいという密かな願いがいつもありました。しかし私には絵の才能はないことは既にわかっています。写真というのは、芸術に縁がなく、絵の才能にめぐまれなかった私にとって、これなら出来るかもしれない、と思わせてくれるものでした。

 

 けれども私が写真をやってみたいと思い立った直接のきっかけは、一人の写真家さんの存在でした。その方は写真家ですが元俳優で、若い頃には際立った個性と歯に衣着せぬ発言で、良い意味でも悪い意味でも注目された方でした。ですがやはり強過ぎる個性のためかテレビの世界からは次第に姿を消していき、以降は舞台や映画に活躍の場を移した方でした。

 しかし年月が経ち、近頃は映画等でも姿を見ないなと思っていたら、その方が実は写真家に転身し、その道で活躍していらっしゃることを最近知ったのです。私は芸能界やアイドルなどには興味のない人間ですが、個性の強い演技や発言をしていたその方については昔から密かなファンでした。その方が若い頃に出演していたいくつかの映画を好きで見ていたのです。それは音楽にも絵にも興味のない私の、思えば唯一の芸術との接点だったかもしれません。

 その俳優さんが、写真家になり、それもかなり成功してその道で有名になり評価されているという事を聞いたとき、私の中でこれだという思いがわきあがり、そして私は写真をやってみようという気になったのです。

 

 四十代半ばになるその元俳優である写真家さん。仮にRさんとお呼びしますが、その方は体当たりの取材から生まれる報道写真や、芸術的な人物写真などでも有名ですが、女性をモデルとしたいわゆるグラビア写真でも評価を得て地位を築いていました。Rさんにグラビアを撮影してもらった女優やアイドルは必ず売れる。そういう評判が立つほどの評価でしたが、芸術家気質で気難しいR氏は、モデルは誰でも良いわけではなく気に入った女優しか撮影せず、だからこそRさんの眼鏡にかなったモデルの女性はブレイクする、と言われているのでした。おそらく若い頃に数々の名女優や大物アイドルと浮き名を流したR氏は、女性の魅力や女優としての素質についてもよくわかっているのでしょう。

 R氏は都内のアトリエで写真講座を開いていました。受講料は他とくらべてやはり高額で、またR氏のスケジュールが忙しいことからも隔週と言いつつもそれが変更になったりキャンセルになることも度々ありましたが、私は迷うことなく受講を決意し、一眼レフのカメラを購入するとその6月からR氏の講座に通い始めました。私の中には、夏のまぶしい太陽の下、輝くような笑顔を見せる彩花と、それを撮影する自分の姿が浮かび、私の胸は希望でふくらみました。

 

 私の中の、彩花をモデルとして写真を撮りたいという思いに、多少の不純な動機も混じっていたかもしれません。それは、日常で見せる彩花の笑顔や、可憐な姿を撮影したいという思いと同時に、彩花を下着姿で横たわらせて、セクシーな写真を、そしてヌードの撮影をしたいという気持ちもどこかにあったからです。けれどもそれは、密かな願いでしかありませんでした。そして私が彩花に写真を始めたことを話すと、「写真ならたっくんにも出来るかもしれないね。いいと思う」と、素直に背中を押してくれたのでした。

 

 しかし、現実が理想どおりにいかないことは、絵筆をカメラに持ち替えてもやはり同じでした。

 機材の扱い方、カメラの設定。シャッタースピード、ホワイトバランス、絞りなどの関係。頭ではわかっているのですが、実際に撮影の時に、どういった設定にすれば狙い通りの写真が撮れるのか、判断がつきません。あるいは、その狙い通りの写真のイメージ自体、すでにつかめていないのかもしれません。Rさんはそんな私に対して、的確にアドバイスを与えてくれ、次第に私も形通りのものであれば、それなりの写真が撮れるようになっていきました。

 ですが、いろいろな対象を撮影する時にも、構図の決め方が、私はどうにも下手なのです。これは、きっと考えてみれば絵を描くときと同じように美的センスの問題で、Rさんがさっと構えて見事な構図を切り取ってしまうのに対して、私はどんなに考えても凡庸な写真しか撮れず、私は自分の芸術的なセンスの無さをあらためて痛感させられました。

 

 もうひとつ、私が戸惑ってしまったのは、モデルの女性の事でした。

 講座の中で、女性をモデルにした撮影というのは、やはり重要な部分を占めていました。それはR氏が女性をモデルとしたグラビア写真で名を馳せていることも理由ですが、やはり写真を学びにくる男性たちの大半は、女性を撮影したいという点が動機にあるからだと思います。

 ですから隔週で行われる講座の中でも、毎回のようにモデルの女性が参加して、その女性を被写体として講座が行われます。しかし、愛する妻の彩花の姿を撮りたいと思って参加した私にとっては、違う女性の写真を撮影することに、違和感があるのです。そして、誠に失礼ながら講座に参加されるモデルの女性は、おそらくは女優のタマゴや駆け出しのモデルさんなのでしょうが、時折、それほど魅力的ではないことがあり、これなら彩花の方がよほどきれいなのではないかと、私は思っていたのです。

 私はそれらのモデルさんを被写体として撮影することに、いまひとつ情熱を感じることが出来ず、私の写真の腕が上がらないのも、ひとつにはそれが原因なのではないかと思い始めました。もし、彩花を被写体として撮影することが出来たら、もっと気持ちを込めてシャッターを切ることが出来るのではないか、そう思いました。

 

 また、8月になり、水着の撮影の講座が行われ、二度にわたってモデルの女性が水着姿になり、撮影用の丸いベッドの上、無防備に横たわったその女性の水着姿を撮影することになると、私はなんだかたまらなくなってきてしまいました。

 私は妻の彩花ひとすじに生きてきた男です。

 付き合った女性は彩花1人で、当然女は彩花しか知りません。

 そんな私にとって、見知らぬ女性の水着姿を間近で撮影することは、自分の価値観からはみ出した行為でした。

 もちろん私は興奮していました。それまでの講座のモデルさんよりも、かなりきれいな女性だったので、そんな女性が水着で横たわって、それを間近で見つめて撮影できるなんて、私にとっては夢のような刺激的なことでした。けれど、だからこそ私は罪悪感を感じてしまったのです。

 

 撮影の後のお茶会で、私がそのことを話し、妻に対して悪いので、こんなことなら妻をモデルとして連れて来たい、と言ったとき、私は何気なく心の中を打ち明けただけだったのですが、講座を受けている他の5人の男性は口々に同意し、「いいね。山内さんは若いから。うちのなんかもう四十六だから、モデルなんて出来やしない」と、最年長の本田さんが冗談を言い、他の方々も「奥さんを撮りたいんだったら、実際にスタジオで奥さんをモデルにした方が上達するだろう」などと、背中を押してくれました。

 そして私がスマホに入っている彩花の写真を見せると、「おお、美人だね」「こんなきれいな奥さん、俺たちが撮ってもいいのかい」などと冗談混じりに盛り上がりました。実際、彩花はかなりの美人で、女優やアイドルに負けないと言ってもいいくらいの容姿をしています。そんな彩花が私に出会う二十歳の時まで処女で居てくれたのは、やはり育ちの良いお嬢様であることと、本人の真面目な性格が大きいのでしょう。

 彩花は高校の頃、告白されて一人の男子生徒と付き合ったことがあるらしいのですが、男性と付き合うこと自体にあまり気持ちが動かず、一度キスをしただけで別れてしまったそうです。彩花のファーストキスを奪ったその男性に私は強く嫉妬し、許せないとも思います。彩花の話し方からすると、キスをした際にその男子生徒は彩花の身体をいくらか強引に触ったようです。彩花が彼と別れたのもそれが原因なのでしょう。けれども、彩花はその彼の前で服を脱ぐことはなく、私と出会うまで処女で居てくれたのです。

 

 お茶会の後、5人の講座仲間の男性たちはRさんにモデルの件について相談を持ちかけてくれて、Rさんが私に事情を聞きに来ると、私は「もし一度、妻をモデルにして撮影することが出来るのなら……」と控えめにお願いしました。Rさんは承諾してくれて、そして9月の第一回目の講座に、彩花が参加することが決定しました。決定と言っても、本人の知らない間に私が勝手に決めたことです。話を聞いた彩花は最初、「ええ、わたしが?」と戸惑っていましたが、「本当にわたしなんかでいいのかなあ」と言いつつも、興味を持った様子で承諾してくれました。初めてのことに、彩花もわくわくしているのが私にもわかりました。モデルになるというのは、彩花の昔からの夢のひとつだったからです。もちろんそれは、写真ではなく絵のモデルという意味だったのですが、芸術の素材という意味では同じですし、数々の女優を撮影してきた写真家の先生に撮ってもらえるのです。そしてもちろん、夫である私にも。

 

 

「山内の家内の彩花です。今日は初めてのことで緊張していますが、皆さんよろしくお願いします」

 そう言って彩花が頭を下げると、たった6人、講師であるRさんを入れて7人しか居ないのに、スタジオは大きな歓声に包まれました。

 9月の第一周目の土曜日、私は彩花を伴って講座に参加し、5人の講座仲間の男性たちとRさんの前で、彩花は写真のモデルを務めることになりました。

「どんな格好していけばいいのかなあ」

 と困惑する彩花に、私は事前にR氏に問い合わせましたが、自然な日常のポートレイトを撮影したいのであれば、ごくごく普通の服装で構わない、メイクも自然なもので構わない、ということでした。

 ただ、さすがにジーンズにTシャツというのも興が無さ過ぎます。フルタイムでは無いものの学芸員という仕事を続けている彩花はあまり女の子らしいはしゃいだ服は持っていません。悩んだ末に彩花が選んだのは、水色に近い薄い紺色をしたワンピースでした。どちらかというと古くさいデザインの、まるで昭和の絵画から抜け出てきたようなセンスの服装でしたが、彩花は、自分が描くならこういう感じを選ぶ、と言って決めたのです。

 そのセンスを、私は必ずしも理解したわけではないのですが、都内にあるR氏の広く綺麗なアトリエに、こんなシンプルで素朴な格好をした彩花が立つと、かえってその美人さが際立つようで、それでおそらく、男性の皆さんは歓声を上げたのでしょう。普段から見慣れている夫の私としては、彩花の格好がどこかおかしくないか、撮影という場にふさわしくないのではないかと気になっていて、皆さんの歓声の意味がすぐにはわかりませんでした。

「きれいだねえ」

「山内さん幸せ者だなあ」

「これは今日は気合い入るぞ」

 講座仲間の男性たちのそんな言葉を聞いて初めて、私は彩花の姿が、皆さんに良い印象を与えたことを知ったのでした。そして皆さんのそんな賞賛の言葉を聞いて、私はとても誇らしい気分でした。妻の彩花は、私の目からだけでなく、他の男性の目から見ても、やはり美しい女性なのです。

 

「じゃあ彩花さん、今日は自然な表情を撮影しますので、その椅子に座って、リラックスしていてください」

 講師のRさんが彩花に話しかけ、うながされてスタジオ中央の椅子に座ります。

 あの有名な俳優のRさんが私の妻の彩花に話しかけている。その光景に私は不思議な感慨を覚えましたが、Rさんが彩花の肩に手をやり、そしてポージングのために彩花の手を取って膝の上に置かせたのを私は見逃しませんでした。ほんの些細なボディタッチです。けれど数々の女優と浮き名を流した元プレイボーイのRさんがすると、このようなボディタッチも実に自然です。Rさんにとっては、このようなスキンシップは、むしろ女性に対しての礼儀なのかもしれません。

 講座は、型通りに基本的なカメラの設定やレンズの選び方、そしてこういった室内でモデルを撮影する際の照明についての説明から始まりました。それは今までの復習になる部分もありますが、どういったわけか、これから彩花を撮影するのだと思うと講義の細部までが頭に入ってきます。やはり、彩花をモデルとして連れてきたのは正解だったと私は思いました。

「こうした撮影をする時に最も大切なのはモデルとのコミュニケーションです。いかに自然な表情を引き出せるか。そのタイミングを、周囲の光とともにいかに捉え、記録するか。それが勝負です」

「笑わせたもん勝ちかな」

「いやいや、本田さんの親父ギャグじゃ、苦笑いしかしてくれないよ」

 Rさんの説明に対して、講座仲間の皆さんがジョークを言います。

 講座に参加している皆さんは全員が私よりも歳上です。

 講座の受講料自体がかなり高額なせいもきっとあるでしょう。

 いちばん歳上の本田さんが四十代後半。突っ込みを入れた田代さんも四十代前半だと聞いています。

 他の3人の方は皆さん三十代だそうですが、皆さんしっかりとした仕事をお持ちで、裕福な方々であるのは間違いありません。

 それでいて、若輩の私に対しても気さくに接してくれます。

 講師であるRさんももちろんそうなのですが、余裕のあるダンディな大人というのはこういうものなのだということを、講座の皆さんを見ていると思わされました。

 

 構図についての説明が終わり、具体的な設定による映り方の比較と検証に入ります。

 ひとつひとつ、色々な撮り方の説明をした後、実際に撮影してみるとどのような結果になるのかを、R氏が撮影して実験の意味合いでお手本を見せてくれるのです。

 スタジオの中央、椅子に腰掛けた彩花に向けて、一枚一枚、R氏が撮影を進めていきます。

 彩花の表情は固いままで、あまり自然な表情という感じではありません。

 私は、いかにプロのカメラマンのR氏といえども、初めてのモデル撮影を体験する彩花から表情を引き出すのは難しいのではないかと思いました。

 薄い紺色のワンピースを着ている彩花は、決して肌の露出が多いわけではありません。むしろ地味で素朴な格好と言った方が合っています。けれども、ワンピースの紐が肩にかかっている他は、肩も半分くらいが見えていて、二の腕は完全に露出しています。夏らしい格好と言えばその通りです。ワンピースの丈は、短いわけではありませんが、決して長くもありません。膝よりも上にあるそのワンピースの裾は、高さのあるモデル用の椅子に座ると、膝小僧が露出し、見えそうで、見えない、ちょうどそんなもどかしい状態の長さになっていました。

 そんな状態の彩花を、R氏が激写します。

 激写、なんていうと大袈裟ですが、R氏は実際に様々な女優やアイドルのグラビアやヌード写真を激写してきた人です。

 そのR氏が、見えそうで見えない状態の彩花に向けてシャッターを切っている様子は、私にとっては激写と言っていいくらいにドキドキするものでした。

 Rさんは彩花の座っている椅子の前にかがみこみ、低い体勢になってシャッターを切っています。

 果たして、Rさんのところからは、彩花の見えそうで見えない部分は、見えてしまっているのでしょうか。

 

 しかし、Rさんが撮影したものをパソコンに取り込み、接続された大画面のスクリーンに表示させると、彩花の表情は固いながらもきれいに撮影された見事な構図の写真になっており、そして低い位置から撮影していた写真も彩花の足や下半身は含まれておらず、角度をつけて撮影された彩花の上半身とその顔の輪郭ははっとするほど美しいものでした。

「と、このような撮影方法も可能な訳ですね」

 とRさんがひととおり、撮影された写真の検証と説明を終えると、私はいつの間にか、Rさんの説明を上の空になって聞いておらず、画面の中に映し出された彩花に見とれてしまっていたことに気が付きました。

 講座の内容をより身につけて上達するために彩花を連れてきたのに、これでは本末転倒です。

 しかし、それは自分がより被写体にのめりこんで、情熱を持って撮影できるという意味でもあります。

 Rさんは「写真で最も大切なのは情熱だ」と何度も言っていました。

 どれだけ被写体に感情移入して、写真にのめりこみ、どれだけ被写体とひとつになれるか、それが大切なのだと。

 その意味では、私は今日、一番良い精神状態にあるのかもしれません。

 私は、その後のソロタイムに賭けようと思いました。

 

 ソロタイムというのは、その日の内容に沿った基本的な撮影が終わると、その日の授業の最後に時間を設けて、一人10分ほどの時間の中で、モデルと一対一で撮影をするのです。そしてその中で、授業の内容に捉われずに自由に撮影を行い、技術と独創性を高めると同時にまた、それぞれが撮影したものを見せ合って、互いの写真の出来と技術を競い合うのです。

 今まで、受講歴がいちばん短いということもあって、私はこのソロタイム撮影では、皆さんに比べて冴えない写真しか撮れていませんでした。でも今日は、愛する妻である彩花がモデルです。技術やセンスで劣っていても、いちばん被写体にのめりこみ、そして被写体である彩花から、いちばん自然な笑顔を引き出すことが出来るのは私のはずです。

 

 基本の撮影とそれぞれの検証が終わり、ソロタイムの時間です。

「では、皆さんお待ちかねの、ソロタイムです。今日は、山内さんの奥様である彩花さんがモデルということで、皆さん明らかに気合いが入っていますね」

 Rさんが冗談めかして言い、講座仲間の皆さんから笑い声が見えます。

「人妻ということで緊張していらっしゃると思いますが、あくまで写真撮影ですので、遠慮することはありません。誰がいちばん彩花さんをきれいに撮ることが出来るか。皆さんのセンスで、ご自由に撮影して下さい」

「おおー」

「よし、はりきって撮るぞお」

 わざとらしく盛り上がってみせる男性たちのそんなおどけた声に、彩花もくすくすと笑っています。

 

 じゃんけんで順番を決めて、最初に撮るのは岡田さんという三十代後半の男性になりました。中肉中背で容姿はあまり冴えない岡田さんですが、写真に賭ける情熱は人一倍で、その技術もセンスも皆さんが認めています。カメラやレンズなどの機材も良いものを揃えていて、講座仲間の中でもいちばんプロに近いと言われている方でした。

 私はビリになってしまい、6番目の一番最後です。もっとも講師のRさんは一番最後に撮影するので、そう考えれば後ろから二番目です。

 皆さん、限られた10分という時間の中で、三脚を立てたり、被写体に近づいたり、様々な角度から撮影をしています。「はい、笑って」「怒ってみて」などと彩花に声をかけ、時には冗談を言って笑わせようとしてみたりと、まるで彩花の気を引こうとしているように必死になって男性たちが撮影をする様子は、ちょっとしたナンパゲームのようでした。

 それはもちろん、笑いながら和やかな雰囲気の中で進んでいきましたが、男性たちが順番に彩花を撮影するその様子を見て、私はなんだかちょっとした優越感を覚えていました。男性たちが必死で声をかけて笑わせ、良い笑顔をもらおうとしている彩花の、いちばん良い笑顔を、私は毎日のようにもらっているのです。そして男性たちが必死になって気を引こうとしている彩花と、私は既に結婚して、彩花の裸体を何度も好きにしているのです。それはこの講座仲間のダンディな男性たちが、どれだけ望んでも手に入らないものなのです。私だけの彩花。そう思いながら私は、講座仲間の男性たちが順番に彩花を撮影する様子を眺めていました。Rさんがやっていたのを真似して、皆さん、しゃがみこんで低い角度から、彩花の表情を撮影しています。5番目に撮影した田代さんなどは、スタジオの床に寝そべって、よりきわどい低い角度から彩花のことを撮影していました。

 

 そして、私の番がやってきました。

 私は三脚に乗せたカメラを彩花の正面に立てると、ファインダーを覗き込みました。レンズの中に、どうしていいかわからないといったような、こころもち固い表情をした彩花が映ります。

「彩花……」

 私は何を言っていいかわかりませんでした。親しいはずの妻なのに、いや、親しい妻だからでしょうか。こんな場面で、どんな言葉をかけて撮影していいのか、私にはわからなかったのです。

 戸惑ってしまった私は、そのまま無言のままで、シャッターを切り、撮影を進めていきました。

「女房の写真なのに、意外とぎこちないな」

「そのぎこちなさに、かえって夫婦の生々しさを感じるねえ」

「初々しくていいんじゃない。まだ結婚して2年でしょ」

「若いなあ」

 講座仲間の皆さんが優しい言葉でフォローしてくれて、固い表情だった彩花も思わずにこっと笑ってくれました。ぎこちないかもしれませんが、良い写真が撮れた手応えがありました。

 

 ひととおり、正面からのポートレイトと、横からの撮影が済んだ後で、私はRさんが、そして皆さんがやっていたように、彩花の正面に座って、低い姿勢からの撮影をしようと思いました。Rさんが見せてくれた少し下からアップで狙った写真が、あまりにもきれいだったからです。

 私はカメラを三脚から外し、彩花の正面に座り、かがみこむとファインダーを覗きました。

 焦点距離が長めのレンズの中、彩花のワンピースの上半身と、上から見下ろすような角度になった彩花の顎の線がきれいに映ります。

 構図を確かめるために、ファインダーから目を離して、肉眼で彩花のシルエットを確かめます。

 円形の高めの椅子の上、ステップにサンダルを乗せた彩花の膝は少し上向きになっています。

 しゃがんだ姿勢になった私の位置からは、下向きの角度から、ワンピースの中、彩花の白い太ももと、その奥にある白地に薄いピンクのラインが入ったコットンのパンツが、はっきりと見えました。

 

 (体験版ここまで)

 

 

写真の技術の上達のために、愛する妻の彩花を写真教室にモデルとして連れてきた達彦。

しかし、その最初の撮影で、講師のR氏を含む全員に彩花のパンツを見られてしまっていたことに気付きます。

愛しい妻の身体を写真に撮影され、他人の目を通じて見た彩花の姿に接するうちに、達彦の中では何かが変わっていきます。

そして男性の目線に晒され、一枚ずつシャッターが切られるたびに、彩花の中でも何かが崩れていきます。

仲の良かった夫婦が少しずつ防壁を崩され、写真家とモデルという特別な関係の中で、妻は一枚ずつ服を脱いで行き、ついには妻の身体は、全員の前にさらけ出されてしまいます。

妻はレンズを向けられることで濡れ、夫はファインダーの中の裸の妻に恋をする。そのような心理描写に力を入れた結果、妻が脱がされるまでが少し長いのですが、ファインダーを通じた焦らしの美学、またチラリズムの美学を堪能していただき、その上で、最終的に妻がヤられまくってしまう結末を楽しみにしていただけたらと思います。

 

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