寝取られと妊娠の物語
私、八ヶ岳の小説の中では、寝取られと妊娠は大切なテーマになっています。
つまり一般のアダルト作品のように、セックスして終わり、女の子がヤられて終わり、というふうには決してなりません。
その結果としてヒロインが妊娠してしまい、場合によっては出産して親になるところまで、こだわりを持って描いています。
勿論、寝取られた後のヒロインと主人公の関係性の変化や苦悩を描くのも大切な部分です。
寝取られとは、ヒロインと他の男とのセックスのみを指す言葉ではなく、ヒロインが女性としてすべてを奪われる、精神的、肉体的な過程の全体を指す言葉だからです。
そのため、ヒロインが他の男と肌を重ね、唇を重ね、女として濃密な時間を相手と共有してしまう姿だけでなく、その結果として妊娠し、その男の子供を身ごもり、出産に至るまでをなるべく描きたいと思っています。
またこれは小さなこだわりではありますが、女性キャラクターを出来るだけリアルに描くため、ヒロインの生理についてもなるべく書いていきたいと思っています。
たとえば「夫婦で冒険者」の中では、ヒロイン(主人公)のミユリが生理の期間中は魔法の威力が落ちてしまうため、冒険には出かけないという描写があります。
同様に女性キャラクターがあまりにも男性の視点で都合の良い存在とならないよう心がけ、時折妻にも意見を聞くようにしています、しかしこれに関しては、妻も一般常識に照らせば奔放で淫乱な女ですので、あてにはならないかもしれません。
けれどもせめて、初めてのセックスで処女消失の後にすぐに感じてしまうといったようなあからさまな描写はなるべく控えるようにしています。
八ヶ岳の書く物語の中に登場するヒロインが、時に常識外れな程に天然な性格の女性として描かれるのは、妻の真由子の性格に基づいています。そして始めは清楚に見えたヒロインが誰であっても男を受け入れ、あっけらかんとセックスをしてしまうのも、妻の真由子の奔放な性格に基づいています。
なぜなら私の知っている女性は、妻の真由子だけだからです。
私、八ヶ岳の書く寝取られ小説は、純愛をテーマにしていますから、主人公であるカップルが他の男によって寝取られ、ヒロインがその男の子供を産んだ後、二人は別れることなく夫婦であり続け、そして寝取られた夫はほとんどの場合、産まれてきた子供を可愛がり、自分の子供として育てます。
その中にあるドラマ、悲しさ、切なさ、情けなさ、そしてその中にある説明のつかない甘美な喜び。やがてその向こうに見えてくる真実の愛。
それこそが、私の描きたい寝取られです。
寝取られは、セックスをして終わりではないのです。
悪役の寝取り男が、ヤリ捨てたヒロインのことを忘れてしまった後も、寝取られたカップルは産まれてきた子供と共に、健気に生きているのです。
寝取った男は、ヒロインが自分の子供を産んだことなど、知りもしません。多くの場合、自分が父親になったことも知らず、のうのうと生きています。
しかしそれでいいのです。
その不条理な現実の中にこそ、寝取られの妙味と、男と女の真実があるのです。