組織的暴力と寝取られ
セックスや結婚、不倫といった性生活を巡る状況が世界各国で違うように、日本にも性生活を巡る独自の状況があり、日本ならではの寝取られ文化があります。
日本の文化の中で寝取られの歴史を考える時、寝取り役を務める男性の中で無視出来ない存在があります。それがヤ○ザと言われる人達です。
幸か不幸か、私達はヤ○ザの男性による寝取られは経験した事がありません。
勿論、ヤ○ザの方々は怖い存在ですから、関わりたくないのですが、寝取られというものは望まない事が起きてしまうからこそ快感を伴うのです。
全身に刺青を施した屈強なヤ○ザの男性に愛妻を奪われる事は、寝取られ性癖を持つ私のような男にとってひとつの憧れでもあります。ヤ○ザの男性はある意味、男の中の男です。刺青の男性に抱かれる妻の姿は、いつもの何倍も艶かしく見える事でしょう。荒っぽい抗争に明け暮れる逞しい肉体とそこに彫られた刺青は男性的な強さと暴力の象徴です。その腕に抱かれる妻の白い素肌は、優しさと純朴さの象徴。その対照が男と女の宿命的な繋がりを引き立て、官能と興奮を高めるのです。
ヤ○ザの男性による寝取られは、レ○プによる寝取られと並んで、私が憧れつつも実際に経験した事のないシチュエーションです。(プレイによる擬似的なレ○プならあるのですが……。それでも十分過ぎる程の興奮、忘れられない体験でした)
私はずっと、ヤ○ザの男性が刺青を入れる理由がわかりませんでした。
しかし、自らが寝取られ性癖となり、男と女を巡る生存競争の奪い合いを考えた時、その理由がわかったような気がしました。
刺青とはつまり、裸になった時の武器です。何も持たず無防備な裸となった時に、相手を恫喝し、相手を思い通りにコントロールして自分の欲望を遂げるための道具なのです。
これは、とりもなおさずベッドの上、セックスの場についての事。男と女の欲望の場であるセックスにおいて、優位に立つためのものなのです。
セックスとはオスがメスを巡って争うという暴力の場でもありますから、暴力に生きるヤ○ザの男性達が、セックスで優位に立つために自らの肉体に刺青という武器を纏うのはまさしく自然の法則に適っています。(勿論、男同士の喧嘩の際に相手を恫喝する意味もあるでしょうが、これは表裏一体の事です)
たとえば想像してみましょう。雰囲気を出すために、どうしても場面設定が時代がかってしまいますが……高度成長期の日本で、真面目に働いているサラリーマンの男性が、仕事を終えて帰宅します。珍しく残業がなかったので、いつもより早い帰宅です。すると、玄関の扉を開けると女性の喘ぎ声がする。まさか、妻が浮気しているのか?あの真面目で純情な妻が?!
男は怒りを感じ、部屋の奥へと向かいます。これは間違いなくセックスの声だ。相手の男を殴り倒してやらなければ気が済まない。
そう思って襖を開けると、布団の上では刺青の男が妻にのしかかっています。男の背中一面に描かれた刺青が、夫の目に飛び込んで来ます。
「ヒッ……!」
夫は絶句し、何も言えずにその場で立ち尽くしてしまいます。
男の背中の刺青を見て、ビビってしまった……縮み上がってしまったのです。勿論、夫のチ○コとキ○タマも、子供のように小さく縮み上がっています。
間男……いや、妻にのしかかっている刺青のヤ○ザは、ゆっくりと振り向き、夫を睨みつけます。
「おい、邪魔すんなよ」
「は、はい」
考える前に、夫はそう答えてしまっています。
あれほど怒りに燃えていたのに、男の背中の刺青を見た途端にビビってしまったのです。そしてあきらめてしまった。相手がヤ○ザじゃしょうがない。男の刺青を見た瞬間に、旦那さんは妻をあきらめ、ヤ○ザ男が妻を抱く事を認めてしまったのです。それこそ本能的に、考える間もなく。
こうして戦わずして、ヤ○ザは男として旦那さんに勝利し、女としての奥さんをモノにします。決着は着いています。もう奥さんの身体は男のものです。夫は男として負けを認めてしまったのですから、奥さんを抱く権利はヤ○ザにあります。こうやってあらゆる女を奪うために、男は刺青を入れているのです。
そして旦那さんはそれから1時間程も、近くの公園で煙草を吸いながら時間を潰します。脳裏には、刺青の男に抱かれていた妻の裸が浮かび上がります。刺青の下で揺れていた、愛する妻の白い乳房、そして目を閉じて喘ぎ続けていた妻の表情。それは夫の自分が見た事がない程に艶めかしい妻の姿です。妻はあんなにいい女だったのかと、旦那さんは今更にして気付きます。
1時間余りが経って、公園の前の道を派手なスーツを着た男が通り過ぎ、旦那さんはすべてが終わった事を知ります。男は奥さんの乳房をしゃぶり尽くし、前から後ろから何度も抱いて、激しく腰を突いて奥様のおま○こを味わい尽くし、そして奥様の子宮の中に精液を注ぎ込んだのです。最後の一滴まで、たっぷりと。
家の寝室では奥様が一糸纏わぬ姿のまま、放心状態で横たわっています。経験した事のない程の激しいセックスの快感で気を失っています。
刺青が効果を発揮するのは男だけではありません。奥様もまた、刺青に圧倒されてしまうのです。男の体の刺青を見た時、奥様は驚き、旦那さんがそうだったように威圧感にビビって動けなくなり、そして……濡れてしまったのです。まだブラウスのボタンも外されないうちから、パンツに大きな染みが出来るくらいに大洪水に濡れてしまったのです。男もそれをわかっていて奥様を抱いています。
逞しい肉体、荒々しい愛撫、そして真珠の入った大きな逸物。
ヤ○ザの全身は、セックスを有利に進めるために完全武装されているのです。
暴力……目の前の男だけではない……組織的な暴力の力。
それを知っているから、旦那さんも奥さんも抵抗出来ません。
犯罪として警察に駆け込んでも無力です。犯罪組織であるヤ○ザは、警察とも通じている上に、男女間の事情は扱いが難しいのです。同意の上だと言われれば、警察に出来る事はない。
たとえ無理にではあっても、恫喝された上の事でも、奥さんも旦那さんも「はい」と言ってしまっているのです。
「はい、今日も抱いて下さい」と奥さんは言わされています。
旦那さんも、
「はい、好きなように出入りして下さい」
(我が家にも、妻の股間にも)
と何度も言わされ、念書さえ書かされます。
法律は助けてくれません。
ですから善良な市民である夫婦は、ヤ○ザの男の欲望のままにヤられっ放しとなります。
暴力によって奪うセックス。
暴力の究極の行き着く先はセックスです。
そんな残酷なセックスの暴力に晒されてしまったご夫婦。
文明社会の法治国家に住んでいる筈なのに、これではジャングルの中と同じです。
やがて哀れな旦那さんは、男が奥さんを抱いている間、邪魔をしないという条件で、襖の隙間からセックスの様子を覗き見る事を許されます。その様子を見ながらオナニーをしてしまった旦那さんは、もう奥様にとって男とは呼べない存在です。
女である奥様の方も……一度抱かれ、それが二度、三度……もう戻れません。強烈な快感と女としての悦びに陥落し、奥様は完全にヤ○ザの女になってしまいます。肉体的にも……そして精神的にも。旦那さんとのセックスでは何も感じなくなり、夫婦は互いを思う気持ちでかろうじて繋がっているだけとなります。
半年後、奥様は妊娠し、結婚三年目の夫婦は子宝を授かります。けれど、それが誰の子供なのかは明らかです。奥様の所には、週に二回は男がやって来て、今では旦那さん公認の上で夜中までセックスを行い、奥様の子宮の中に何度も精液を注ぎ込んで、旦那さんはその様子を襖の隙間から覗き見てオナニーするだけだったのですから。
美しい奥様の乳房はヤ○ザの激しい愛撫によって形が変わってしまい、おま○こも巨根のヤ○ザに合った形となり、ヤ○ザの専用マ○コとされてしまい旦那さんではもう大きさが合いません。そしてお腹の中には奥様がヤ○ザと結ばれて出来た子供がいます。
子供が出来る頃には男はもう奥様に飽きて、興味はもう他の女に移っていますが、男が奥様を覚えていて、男の気が向いたのであれば、奥様の産む第二子もこのヤ○ザ男が父親となるでしょう。たとえそれが名目上は旦那さんの子供であったとしてもです。(抗争の中で生きる男がまだ生きて娑婆にいればの話です)
社会的にも家という考えがまだ強い時代のこと。ヤ○ザ男の血液型が旦那さんと同じだとわかった時の夫婦の安堵感。そして、第一子が産まれてからも、時折ヤ○ザ男がやって来ては揺りかごの横で奥さんを抱いていく事に、血液型が同じなのだからと半ばあきらめ、犬に噛まれたと思って、いっそコウノトリの使いだと思って男を受け入れてしまう……そんな夫婦の気持ちは決して他人にはわからないでしょう。夫婦はヤ○ザ男を矢崎さんと呼び、旦那さんは嫌々ながらも男のビールに付き合うようになり、内心では死んで欲しいと思いつつも、その男の遺伝子を受け継いだ子供を妻は二人も産んでしまうのです。やがて男は刑務所に入り、夫婦は遠い場所へと引っ越してようやく難を逃れます。
幸せだった善良な夫婦に起きた、人生を変えてしまうような悲劇。
このようにして、ヤ○ザ者によって奪われ、懐妊して子供を生んだ人妻が、この国の歴史上どれくらいいたのでしょうか。
それらの記憶が遺伝子に刻まれ、日本の女性は刺青の男に抱かれると濡れるようになっているのではないでしょうか。
これらの事は、生真面目に働き善良に生きる人間が多い日本の文化風土の中だからこそ成り立つ関係性です。
世界の土着文化の中にはタトゥーを入れる事が一般的な風習となっている文化がありますが、そういった環境の中では、多くの男性がタトゥーを入れているため、こういった恫喝の効果は薄れるでしょう。
ファッションとしてのタトゥーが一般的となった現代の日本にもそれは言えます。
それでも、真面目で気弱な寝取られ夫婦にとっては、暴力の象徴であるヤ○ザの男性に奪われる体験は、股間の奥底で望んでいる禁断の願望です。
寝取られは、相手の男が悪だからこそ、快感となるのですから。
少しネタバレになりますが、「夫婦で冒険者」の次章では、主人公のミユリがヤ○ザに寝取られるシーンを描こうと思っています。
「夫婦で冒険者」はファンタジーの世界を舞台にしていますが、主人公であるミユリとタチバナは東洋系の血を継いだキャラクターとして描かれています。
だからこそ……最強の魔法使いであるミユリが、ならず者であるヤ○ザの刺青を見た瞬間に、恐怖で竦み上がってしまい魔法が使えなくなる……そしてヤ○ザの男達に好き放題に弄ばれ、犯される……それだけではなく、拉致され、囚われ、娼婦とされ……女として骨までしゃぶられる、そんな悲劇的な展開を考えています。
そのようなどん底から、果たしてミユリは立ち上がることが出来るでしょうか。